赤ちゃん(0~12ヶ月)の歯のお悩み
- まだ生後2ヵ月なのに、乳歯が顔を出しています。こんなに早いのは異常でしょうか?
順番や時期が異なる場合もありますが、赤ちゃんの乳歯は生後8ヵ月頃から生え始め、20本すべてが生え揃うのは3才頃と言われています。でもこれは成長の目安。早く生えてくる場合もありますし、1才のお誕生日近くまで最初の乳歯が生えてこないという赤ちゃんもいます。
ただし、早くに歯が生え始めたのなら、歯磨きも早めに開始することが必要です。
- 初めての歯が生えるのって、いつ頃なんでしょうか?
一般的には生後8ヵ月頃から乳歯は生え始めますが、赤ちゃんによって生える順番や時期には個人差があります。歯の生え始めが多少遅くても、全く心配ありません。あまりに遅くて心配でしたら、一度歯科医院に相談してください。
- 初めての歯磨きっていつ頃がよいのでしょうか?
歯が生え始めると、歯磨きのスタートです。とはいえ、ミルクや離乳食など柔らかいものしか入れたことのない口に、いきなりハブラシのような固いものを入れられてゴシゴシみがかれたら、赤ちゃんもびっくりしてしまいますから、やわらかいハブラシで少しずつ始めましょう。
- 歯ぐきがかゆいのか、おもちゃなどをガリガリと噛みます。歯がためを買った方がよいのでしょうか?
ちょうど、7ヶ月頃くらいでは、手のひらで物をよく握れるようになります。また、つかんだものを口へ運ぶことが出来るようになると、赤ちゃんはおもちゃを熱心にしゃぶったり噛んだりするようになります。このように玩具や指をしゃぶる時期もあります。お口の感覚はとても敏感で、ものの固さ、大きさ、かたちなどを脳が判別して学習する窓口なので、十分にさせてあげてください。
しかし、赤ちゃんの噛む力は意外に強いものです。破損したり、部品がとれたりするようなものは適しません。また小さすぎるものを赤ちゃんに持たせると誤飲の心配があります。この時期の赤ちゃんは、なんでも口に入れますから、十分な注意が必要です。
- 歯ぐきに白くて丸いプツプツしたものが並んでいるのだけど、これは何でしょうか?
まれに、赤ちゃんの歯ぐきに白く光る真珠のような粒がついていることがあります。上皮真珠と呼ばれているものです。この上皮真珠は、乳歯があごの中で作られるときに組織の一部が残り、歯ぐきの表面に出てきてしまったものです。乳歯が生えるころには自然に消失しますから、治療の必要はありませんし、痛みやかゆみもありません。ぽろりと取れることもありますが、赤ちゃんが飲み込んでしまっても問題ありません。上皮真珠かどうかはっきりしない場合は、歯科医院で診察を受けた方がいいでしょう。
- 子どもの歯を診てもらうのは、通い慣れた普通の歯科医院より小児歯科がよいのでしょうか?
一般の歯科であっても小児歯科であっても、治療内容には特に大きな違いはありません。小児歯科でなくても子どもの治療や扱いに慣れている歯科もありますし、ご家族が通っている歯科医院なら雰囲気もわかっていて安心でしょう。お子さまを連れて行ってもかまいません。ですが、小児科と内科が違うように、小児歯科と歯科にも違いがあります。小児歯科は、待合室や診療室の雰囲気から、治療のための器具まで、子どものことを考えたものになっています。乳歯の扱いや歯並びの管理など、子どもの成長にあわせた歯のケアは大人の歯とは違った部分が多いのも事実です。近くによい小児歯科があるなら、そちらへ行ってみるのもよいでしょう。
- お友だちの赤ちゃんはみんな下の歯から生えてきたのに、うちの子だけ上の歯が一番に生えました。順番が違ってもよいのでしょうか?
順番も時期もそれほど気にする必要はありません。赤ちゃんの歯が生える順番は、まず下の2本の前歯が生え、次に上の2本の前歯が顔を出すという場合が多いのですが、そうでなくても問題はありません。上の歯から生えたり、なかなか生えてこないと思ったら上下同時に顔を出したりと様々です。
- 一日に何回歯磨きすればよいのでしょうか。毎食後がいいのか、それとも磨きすぎもよくないのかと、いつも悩んでしまいます。
まだ前歯の生えはじめであるこの時期は、歯磨きも準備段階。歯を磨くというよりも、歯磨きを嫌がらないよう、ハブラシなどを口の中に入れられることに慣れるのが第一の目標です。 慣れないうちは磨くのも大変ですから、1日1回機嫌のいいときに。慣れてきたら毎食後の習慣になるよう行いましょう。
- 最近、上の前歯が生えてきたんですが、指しゃぶりをしすぎると出っ歯になるって本当ですか?
2才くらいまでの指しゃぶりは特に気にする必要はありません。この月齢では指をしゃぶるのはごく自然なこと。万一、前歯が出てきてしまったとしても、3才頃までなら自然に治ってくることがほとんどです。3~4才になっても頻繁に指しゃぶりをしているようであれば、やさしく注意するなどして、やめさせた方がいいでしょう。
- 転んだはずみに、前歯が欠けてしまいました。放っておいて大丈夫でしょうか?
判断に迷う場合はかかりつけ歯科医に診てもらった方がいいでしょう。歯を強く打って、歯の根の先を傷めてしまうと、神経が切断されてしまいます。お子さまが痛がったり、腫れたりした場合や、歯が黒ずんできた場合などは強打している可能性があります。出来るだけ早く、歯科医院で診察を受けましょう。
- 下の歯が2本生えてきたんですが、すきっ歯なんです。一生すきっ歯のままなのでしょうか?
乳歯が生える途中や、乳歯から永久歯へと歯が生え替わる期間には、歯と歯の間にすきまがあるのは自然なことです。隣の歯が生えてくると、このすきまは狭くなっていきます。また4才頃には、体の成長とともにあごも成長するため、歯と歯の間にすきまが現れます。このすきまは、のちに生えてくる永久歯のためには大切なスペース。生え替わりの時期にすきまがまったく見られないと、永久歯の歯並びに影響する場合があります。すきまがあると歯間の歯磨きがしやすくていいですね。逆に、歯が生え詰まっていて歯間が磨きにくい場合は、デンタルフロスを使ってみてもいいでしょう。
- 歯磨きしてあげると、血が出ることがあるんですが、私の磨き方が悪いのでしょうか?
新しい歯が生えてくるときは歯ぐきの皮がまだ薄いため、ハブラシを大きく動かしすぎたり、力を入れすぎることが原因の場合もあります。上手な歯磨きを続けていると、だんだん歯ぐきが引き締まり、歯ぐきから血も出なくなるので、歯ぐきにキズがつかないよう、上手な歯磨きでみがいてあげてください。それでも出血が続く場合は、一度歯科医院の受診をお奨めします。