20~30代の「みがき残し」実態
自信があっても実はみがけていない部分が!
「歯の隅々まで、毎日ちゃんとみがいてます!」と歯みがきに自信がある人でも、歯と歯ぐきの間のような、みがきにくいところには歯垢が残りがち。特に20~30代の「みがき残し」が顕著なことが調査で判明しました。
自分の歯みがきに自信がある人も、実は意外とみがけていない部分がある
資料1_ 自分の歯みがきに関する自覚と歯垢付着状態

※ライオン(株)調べ,2014
オーラルケアに関する意識と実態の相違を検証するため、歯みがきに対する自覚を「自信がある」と答えた人を対象に、みがき残しが多いと言われる歯と歯ぐきの間の歯垢の付着状態、ムシ歯の状態など口腔内の実態を調査しました。
歯垢付着スコアは「0%=対象部位に歯垢が付着していない」~「100%=全ての対象部位に歯垢が残っている」状態を示します。 歯科界では20%以下が目標とされていますが、今回の調査では該当者はいませんでした。また、自覚は良好の人でも、スコア21%~60%未満の人はわずか2割程度で、スコア80%以上の人が約3割〔資料1〕。自覚不良グループと比べても大きな差はありませんでした。きちんとみがいていても、歯と歯ぐきの間などのみがきにくいところは、歯垢が残りやすいところ。自分で思っているほど、セルフケアだけではみがききれていないことが判明しました。
資料2_ 自覚良好群における性別・年代別歯垢付着状態

※ライオン(株)調べ,2014
次に性別、年代別の傾向を見てみましょう〔資料2〕。性別では男性のほうが歯垢付着スコアが高く、「スコア80%以上」では20ポイントも差がついています。年代別に見ると、年齢が上がるほど歯垢付着スコアが下がり、効果的な歯みがきができている様子がうかがえます。20~30代では歯垢付着スコアが低い人が少ない(8.8%)傾向が見られます。
ムシ歯ケアを意識していても初期ムシ歯が多い20~30代
資料3_ 良好群のうちムシ歯ケア意識層のムシ歯の状況

※ライオン(株)調べ,2014
次に、自覚は良好の人の中でも、さらに「ムシ歯のケアを意識している」と答えた方のムシ歯の保有状況を見ると、治療の必要があるムシ歯がある人は22%、経過観察が必要な初期ムシ歯がある人は28%存在していました〔資料3〕。
資料4_ 良好群のうちムシ歯ケア意識層の年代別ムシ歯の状況

※ライオン(株)調べ,2014
また、ムシ歯や初期ムシ歯を持つ人を対象に年齢別に見てみると、割合は20~30代で50%と半数にのぼり、年齢とともに下がる傾向が見られます。逆に、ムシ歯を持つ人の割合は、初期ムシ歯が年齢を経てムシ歯へと進行したためか、年齢に比例して増えています〔資料4〕。
以上の結果から、普段からムシ歯ケアの意識が高いと自信のある人でも、思っているほど歯みがきが十分でなく、ムシ歯のリスクを抱えていることが示唆されます。特に20~30代は、他の年代と比較しても、初期ムシ歯の保有率も高いことがわかりました。初期ムシ歯は再石灰化によりもとの健康な状態に修復できるので、積極的なフッ素の利用が望まれます。